睡眠負債大国の日本では、照度計は一家に一台必要でしょう
【気に入った点】
●センサー部分が本体固定式だと、床面の照度を測る場合、しゃがまないといけない。しかし、これはセパレート式で、センサー部分をネジ穴があるので、ネジ山付スマホ自撮り棒(サンワサプライの200-DGCAM037など)の先端に取り付ければ、立ったまま床面照度を計測できるし、センサー部分を左右上下に容易に回転させることができる。高い所や、入り組んで手が届かない所も、これで計測可能(固定式は手が届いても角度によってはディスプレイが見えない)。
●Auto範囲機能が優秀で計測範囲の選択は不要だった。特に室内の照度は光源からの距離で大きく変化するため、LEVEL設定しているとすぐに計測範囲を超えて「OL」表示となってしまうので、Auto範囲機能はとても便利。
●アナロググラフ表示がわかりやすい。Auto範囲機能使用中の場合、LEVELが切り替わったことがわかりづらい時があるが、アナロググラフのお陰で、それが認識しやすい。
●計測範囲が0〜400K(=400,000)Luxととても広い。他社の機種は40KLuxとか200KLuxくらいが多く、「直射日光は計測しないでください」とか取説に書いてあったりする。なお、直射日光を恐る恐る計測してみて150KLuxくらいだったが、その後も正常に機能しているようなので、安心した。
●収納ケースは3辺が開口するので、大きく開いて出し入れしやすい。またチャックは両側から閉められるので、ベルトに装着して、左右を閉めて上辺部分だけ開ければポケット状になるので、本体をセンサーにつなげたままでも、ケースに突っ込めるのが便利と思った。
【改善の要望】
●セパレート式は便利な反面、両手がふさがる。センサーと本体の両方を片手で持って計測できないこともないが、あとサイズがもう少し小さければ、片手でも計測しやすいのにと思った。ただ、大きめの液晶ディスプレイはとても見やすいので、サイズを小さくしなくても片手で簡単に測定できるように、ネジ穴を利用して、センサー部分が本体にも固定できるようにすれば、いいのかもしれない。
●電池入れの蓋が固く、なかなか開けられなかった。また電池を入れても、電池につながるコードをうまく側面に這わせないと蓋が閉まらない。この2点のために、当初は20分くらい格闘した。まあ、コツをつかめば、そこまで大変ではないが、もうすこし電池入れを工夫するか、せめて取説にコツを書いていて欲しかった。
【その他感想など】
●サンプリング周期は0.5秒なので、表示は目まぐるしく変化するが、例えば、明るい場所から真っ暗な場所に急に移ると、残像が残るのか、ルクス表示が安定するまで、2〜5秒くらいかかる(少しずつ0.0Luxに近づいていく)ので、計測は慌てず、ゆっくり確認が重要と思った。
●照度計測は、場所や光センサーの向きによって大きく変化するので、慣れるまで難しい。室内でも、1Lux〜1000Luxくらいの幅がある。Auto範囲機能がないと計測は困難だと思う。
●最近のLEDシーリングライトやダウンライトは明るさがルーメン表示のものが多いが、光の拡散などによって実際の明るさは大きく異なるし、調光調色可能なものも多いので家庭内で照度を計測する必要性は高まっている。それに、季節性うつ病や概日リズム睡眠障害の治療(高照度光療法)には 2,500〜10,000Lux の高照度光を通常朝に 30分〜2 時間照射するらしいが、明るさは照度計がないとわからない。コロナ対策で放射体温計が各家庭で購入されるようになったが、睡眠障害の問題もクローズアップされているので、ベッドの設置場所やカーテンの遮光性の確認などに、これからは一家に一台、照度計が必要になるでしょう。